【#S005】物語を彩る魅力的な要素を丁寧に

”ストーリーはその目的と道筋を持っています。理解されるためには正しく伝えなければなりません。”

– Marcus Sedgwick マーカス・セジウィック 小説家

 

どうも、ナカムラです。

 

優れた卓越した物語(ストーリー)は、
聞き手(お客様)を巻き込むことができます。

 

前回までお話したストーリーラインに加えて
ストーリーを魅力的にする特定の要素が求められます。

 

これまでにストーリーの大枠についてお話をしてきましたが、
この回ではストーリー性を高める要素をお話しします。

 

 

感情的なつながり

 

前述しているように、
卓越したストーリーは感情的な繋がりを生み出すものです。
思いやりの気持ちは人々を関わりたいと駆り立てることができます。

 

恐怖感はセキュリティーソフトウェアーを強化するよう働きかけることができます。
ミステリーと発見の感覚はクエストストーリーの基盤となります。

 

サスペンスとワクワク感は
モンスター征服ストーリーを生み出すことができます。

 

あなたのストーリーは真実に基づき
あなたのオーディエンスの苦痛・価値観・欲望と密接に
つながるものでなければなりません。

 

 

関連付けることのできるキャラクター

 

聞き手が物語(ストーリー)の
主人公に自らを関連付けることができなければ、
そのストーリーはほとんど効果を発揮することはありません。

 

あなたがこれまで観たテレビドラマや読んだことのある小説で
主人公に対して何ら自らを関連付けることが
できなかったものを思い出してみてください。

 

きっとそれらの物語(ストーリー)は
それほど魅力的ではなかったはずです。

 

あなたのストーリーの中の
主人公に親近感を持ってもらうことができれば、
オーディエンスをあなたのストーリーに巻き込むことができます。

 

聞き手はヒーローを応援し
無事生還することを期待するでしょう。

 

聞き手は主人公が
モンスターを征服し無事生還したり
破滅的な挫折から立ち直ったりすることを強く願うでしょう。

 

あなたがビジネスを推進している
ニッチの住人たちの価値観を反映した主人公を
設定することで説得力ある
主人公となり良いストーリーを組み立てることができます。

 

可能な限りスーパーマンではなく
どこにでもいるような人物を設定することで
”わたしでもできる!”という気持ちにさせることができます。

 

 

サスペンスと不安

 

サスペンスと不安は、どのようなストーリーでも重要な要素です。
なぜなら、これらの要素はストーリーの最終結末まで
読み手をくぎ付けにしておくことができるからです。

 

江戸川コナンが映画の中で悪役に殺されないことは
誰でも分かっていることですが、

 

見てる側はコナンの危機一髪の状況に釘付けになります。

 

サスペンスと不安という要素は
論理的なものよりはるかにストーリーを
強力なものにすることができます。

 

 

インスピレーション

 

悲劇のストーリーのように
必ずしもストーリーは興味をそそるために
インスピレーションを与える必要はありません。

 

しかしながら、あなたがマーケティングを
目的としたストーリーを組み立てるためには
オーディエンスをインスパイアする必要があります。

 

食べ物がなく餓死してゆく子供たちを救うための募金広告は、
あなたを絶望へ誘導するのではなく
”わたしなら彼らを救える!”と感じさせるものであるべきです。

 

見てる側を行動に駆り立てるインスピレーションは、
マーケティング視点でみると、非常に重要です。

 

行動するということは、
商品購入からより微妙なあなたのブランドに
同調させることなどが含まれます。

 

希望とインスピレーションを提供できない
物語(ストーリー)は読み手を
行動に駆り立てることはできません。

 

 

卓越したストーリーの構造

 

サミュエル・ベケットの”ゴットーを待っている”は、
20世紀の最も重要な演劇の1つとして称賛されています。

 

2人の男がゴットーという男のために待っているんですが、
要約すると、実際には何も起こりません。

 

何も起こらないというか特に物語性がありません。

 

20世紀最高の1つとされる演劇が、良いストーリーを持っていないと断定するのは
愚かなことなんですが

”ゴットーを待っている”は、実験的な演劇で、
そのストーリー展開は一般的なストーリーよりも分かりにくいものになっています。

 

ここでの目的は、ストーリー展開を
直接的かつ明確化することで最大限のインパクトを与えることです。

 

上手に構成されたストーリーは、
明確なはじまり・中間・終わりから構成されています。
古典的なストーリーは、紛争とその解決により組み立てられています。

 

紛争は、わたしたちを巻き込み釘付けする要素です。
紛争という要素は、サスペンスと不安をオーディエンスに提供します。

 

ストーリーの最後には紛争が解決(クライマックス)することは
分かっていても最後に紛争が解決されたとき
見てる側は解放感を味わい肯定的な感情のトリガーとなります。

 

事例として”グーニーズ”という映画をとりあげます。
”グーニーズ”の中では、寡婦のグループがマイホーム差し押さえから回避するため
片目のウィリーの隠された宝さがしに行くストーリー展開をしています。

 

 

ストーリーの中で強面ではありますが
優しいギャングに追われ続けています。

 

ギャングたちが子供を追いかけ、子供たちが宝物を発見しそうになると
絶望的な状況になることでサスペンスと不安がちりばめられている。

 

物語(ストーリー)は最終的に宝物を発見できたことで
問題を解決することができます。

 

ギャングたちは逮捕され寡婦の
グループはマイホーム差し押さえから救われることになる。

 

あなたのマーケティング活動における広告や
ストーリーは非常に短いものになるかもしれません。
それでもこれらの要素が含まれてるようになります。

 

例えば、フェリックス・バウムガーの記録的な
フリーフォールを39,000キロからフューチャーしたレッドブルの広告があります。

 

 

紛争は、基本的に宇宙空間から
地球上に安全に戻らなければならいということです。

 

論理的には、再突入時に火炎に囲まれたりパラシュートが
故障して開かなかったら・・・

 

レッドブルは恐らくこの物語を採用しなかったでしょう。

 

彼が暗闇の宇宙空間においてカプセルの端に座っているのを
見ればあなたは不安にさらされるでしょう。

 

そして、人々の応援と無事着陸したシーンを
目にすればあなたは安堵感と喜びを感じます。

 

ここからは、よりストーリーを強いものにするヒントをお伝えしていきます。

 

 

商品は間接的に魅せる

 

卓越したマーケティングストーリーの場合、
商品はその背後にあります。

 

ストーリーを語るとき、あなたのブランドや商品を宣伝するのではなく、
ストーリーをより良くすることにフォーカスしてください。

 

コンテンツマーケティングのように
ストーリーがあなたのために商品を販売したりブランド認知を高めてくれるものです。

 

ただし、あなたがプロダクトストーリーを語るときは、
商品をストーリー展開の中央に置くことになります。
商品のベネフィットは、ストーリーの重要な部分になります。

 

しかし、必ずしもそうである必要はなく、
一般的に言えば、商品自体の宣伝を少なくすればするほど効果的。

 

前述したコカ・コーラとハニーメイドの宣伝キャンペーンを思い起してください。
”ビルディング”ビデオの中でコークは単なる小道具として位置付けられます。

 

多くのストーリー広告において
商品名やブランドをダイレクトにアピールすることは稀になります。

 

別の事例として、フェリックス・バウムガーナーストーリーでは、
レッドブルがスイングするパラシュートに隠れてバウムガーナーを観ることはできません。

 

そして、わたしが知っている中では、彼とのインタビューもなければ
レッドブルの成分によりジャンプするエネルギーを得たという告知はありません。

 

 

ベネフィットも間接的に魅せる

 

最高のストーリーは商品のベネフィットを直接的に言わずに反映させるものです。

 

SUBARUの”彼らは生きていた”ビデオの中で、

”スバルの自動車は安全性に優れているのでこのような悲惨な事故でも搭乗者は生きていました。”

などとは一切言わずにその安全性を見る者へ劇的に伝えています。

 

 

大きなストーリーの一部分

 

良いストーリーのもう1つの要素として、
あなたが語るストーリーを
遥かに大きなストーリーの一部分として設定することです。

 

そうすることでブランドや商品の背後にある
コンセプトやアイディアを進化させることができます。

 

ナイキのワッフルアイアンのストーリーに戻って考えると、
ナイキの創業者がワッフルのパターンを
どのように生み出したかのストーリーを語ることで
実はナイキは世界を革新・改革する会社だということをアピールしています。

 

 

あなたのブランドパーソナリティーを活用

 

あなたがどのようなストーリーを語るにせよ、
あなたのブランドのパーソナリティーは重要な役割を担っています。

 

レッドブルのブランドパーソナリティーは
極端なスポーツと関連づけられているので
フェリックス・バウムガードナーのジャンプのストーリーを語ることは理にかなっています。

 

あなたのブランドが持っているパーソナリティーを活用してください。

 

 

ストーリーを小分けにする

 

1つの効果的ストーリー語りのテクニックとして、
ストーリーを小分けして分割する手法があります。

 

ストーリー全体を一度に語るのではなく、
1つのシーンまたはその一部だけを語るようにします。
この手法を用いることで見る人を
次回に向けて離脱しないようにすることができます。

 

この手法を用いる場合には、
あなたのストーリーの最後に”続く”と表示することです。

 

 

ストーリー内のストーリー

 

その他のアイディアは、ストーリーの中にストーリーを作成する手法です。

 

この事例として、一般的にはアラビアンナイトと呼ばれる千夜一夜物語があります。
1つ1つのストーリーはストーリー全体と関連付けされています。

 

これは、すべて同じようなテーマやトピックに基づく
短編をいくつか作成することで全体のストーリーを構成することを意図しています。

 

あなたのストーリーをすべて語るのではなく分割して語ることで
オーディエンスは次回のストーリーを待ち焦がれるようになります。

 

 

シェアする価値のあるストーリーを組み立てる

 

広くシェアまたはバイラル効果を発揮している
すべてのコンテンツを見ると1つ共通するものがあります。

 

それは強い感情を引き起こす点です。

 

これらのストーリーは

・畏敬の念
・面白い
・感動
・ショッキング
・かわいい
・セクシー
・怖い
・論争的

などの要素を持っています。

 

あなたのストーリーをこれらの感情でスパイスすることで
あなたのストーリーをよりシェアしてもらうことが可能になりますが
それらがあなたのお客様とあなたのブランドにマッチしているかが重要です。

 

 

ストーリーを視覚化する

 

一見は百聞に如かずと言われています。
これは誇張ではありません。

 

より多くのビジュアル要素を
ストーリーに加えることでより多くのシェアを獲得することができます。

 

実際には、何も語らずイメージだけで
ストーリーを伝えることも可能です。

 

視覚化することで
物語(ストーリー)をより効果的にすることができる
理由は視覚化がより直接的に
感情を誘発することを可能とするからです。

 

本日のレッスン

 

1.今回お伝えしたお話ししたストーリー構造に基づいた
あなたのストーリーをまとめてください。

 

2.今回お話しした重要な要素の中であなたの環境に
マッチするキーワードを書き出してみてください。
あなたが新しいストーリーを組み立てるときに参照することができます。

 

今回は、ここまでです。

 

 

 

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