どうも、ナカムラです。
物語(ストーリー)は、
人類誕生以来、わたしたちの生活の大きな部分を占めています。
初期の人類が話す能力と象徴的に考える能力を発揮すると、
ストーリーを語る文化がはじまりました。
新月や、満月の夜に焚き火を焚べながら
集まった人達に話をするー
それが1番古い昔にできたエンターテイメントの
1つなのではないでしょうか。
さて、古代からのストーリーは、
今日の設定とコンテンツにおいて異なっています。
古代から普遍的に変わらないものは
ストーリーラインです。
何万年も前に誕生した人類最初のストーリーから、
あなたが昨日観たテレビドラマまで時代を
超越したストーリーライン、つまり筋書きが存在しています。
これらのストーリーラインは時代を
超越することができるのでしょうか。
なぜなら、すべての人間が理解し経験する
基本的な感情に語り掛けることができるからです。
テーマは、すべての人が直面するものです。
あなたのストーリーにこれらの古典的な筋書きを採用することで
効果的で感情に訴えることのできるものを組み立てる手助けとなります。
古来からなる基本的な7つの筋書きを紹介していきます。
7つの基本的な物語の筋書き
- モンスターを倒す
- ラグツーリッチ
- クエスト
- 冒険と帰還
- 悲劇
- コメディー
- リバース(生まれ変わる)
モンスター征服
モンスター征服は、あなたがホラーまたはサイエンスフィクション映画を
観たことがあるならお馴染みのストーリー展開でしょう。
それは、人類にとって最初の文学となる
誇大シュメール文明のギルガメッシュの叙事詩まで遡ります。
その中で、主人公のギルガメッシュは数多くのモンスターとの戦いを繰り広げます。
このストーリーラインは、”スーパーマリオ”のような
ビデオゲームにおいても採用されているフォーマットです。
モンスター征服ストーリーの中で、
ヒーローはモンスターにひどい敗北をしながらも旅を続けます。
誰もがヒーローが勝利することを想像もしない中で
強さ・狡猾さ・美徳・リソースなどを手に入れながら
最終的にはモンスターを殺します。
このストーリーラインは
聖書のデビットとゴリアテの物語でも採用されています。
これは多くの古典にも採用されています。
さらに言えば、
ゴジラ・ターミネーター・スターウォーズ・007などの
映画も基本的にこのストーリーラインが採用されています。
スーパーヒーロー漫画の主要テーマの1つでもあります。
ここで重要なのは、”モンスター”が実際のモンスターである必要はないということです。
それは聴衆が直面するいかなる問題・不満・敵などを
モンスターと見立てることができます。
事例の1つとしてオールステート社の”Mayhem”キャンペーンがあります。
キャラクター”Mayhem”は、あなたが
直面するであろうあらゆるタイプの災害に対するメタファーであり、
あなたはこれらのモンスター(災害)を保険で征服するというストーリーラインです。
もう1つの事例としてナイキの”Just Do it”のストーリーがあります。
アスリートは”ただ実践する”ことにフォーカスして
モンスター(失敗の恐怖・信頼の欠如)を征服してゆきます。
ラグツーリッチ
アメリカンドリームの古典的なストーリーは、
ラグツーリッチ、つまりぼろきれから
お金持ちになるストーリーラインです。
貧しい移民のストーリーを思い描いてみてください。
ぼろぼろの衣服をまといポケットにはわずかな小銭しか持たず
大きな希望だけを頼りにアメリカにたどり着き、
やがては丘の上に住む億万長者になってゆく
サクセスストーリーラインです。
あなたはこれらのストーリーを
ネルソン・ロックフェラーのような20世紀初頭の
多くの起業家や J.K.ロウリングのような
作家の人生の中に見出すことができます。
これらの古典的なストーリーラインは
”シンデレラ”やチャールズ・ディケンズの
”デビッド・コッパーフィールド”
さらには”ロッキー”や”アラジン”などの
映画に見出すこともできます。
これらのストーリーラインは
今日でも多くのテレビドラマに採用されています。
ラグツーリッチストーリーは、
ブランドのストーリー語りに高い効果を発揮することができます。
なぜなら、ほとんどの企業は地下室やガレージなどで
家内工業のように細々とスタートを切っているからです。
ウクライナ生まれのジャン・コウムが
フードスタンプで生活しながら
5年後にはマーク・ザッカーバーグによって
190億ドルで買収された WhatsApp アプリが絶好の事例となります。
クエスト
クエストは、主人公と彼の仲間たちが
ある場所・人物・物などを発見するためのミッションにチャレンジするストーリーラインです。
彼らは、ミッション遂行の過程で障害や苦難に直面しますが、
そのすべてを克服しながらミッションを完遂します。
クエストストーリーラインは、
オーディエンスをワクワクさせ
最後まで彼らをくぎ付けにすることができる素晴らしいものです。
オーディエンスは
主人公と一緒にミッションに挑む旅をしながら
ミッションを完遂する疑似体験をすることができます。
ガリアド卿の聖杯探求のアーサー王伝説は、
このクエストストーリーラインの典型的な事例です。
近代的な事例としては、
インディアナ・ジョーンシリーズや
ロード・オブ・ザ・リング
さらにはハリー・ポッターシリーズを挙げることができます。
”Finding Nemo”やオズの魔法使い、
J.D.サレンジャーの Catcher in the Rye などインナークエストの事例もあります。
インナークエストとは、自分の外にミッションを求めるのではなく
内省的に自らの中にミッションを求めるものです。
クエストストーリーラインは、
あなたのオーディエンスが直面している問題や
苦難を解決する商品を発見(開発)する方法を
ミッションとしてストーリーを展開することができます。
冒険と帰還
スターウォーズのルーク・スカイウォーカーなどのように
ヒーローが危険な世界を旅して最終的に帰還するストーリーが
冒険と帰還ストーリーです。
これは地理的に自宅から遠ざかったり
心理的にコンフォートゾーンから飛び出す
ストーリーラインで誰でも簡単に理解することができるもの。
あなたのオーディエンスの神経に触れ、
最終機関により彼らを感情的に開放する展開をします。
このストーリーは、子供たちに特に人気があるようです。
なぜなら、子供たちの目に世界全体が障害に満ちた不思議な世界と映るからです。
オデッセイや不思議な国のアリスなど
多くの古典にもこのストーリーラインが採用されていて
ファンタジーとサイエンスフィクションのストーリー展開にも
かなり採用されています。
現代ではバックトゥ・ザーフューチャーやロストなどのストーリーにも採用されています。
冒険と帰還ストーリーラインは、
さまざまな状況で利用することができます。
例えば、旅行中にさまざまなインスパイアを受け
自宅に戻ってからこれまでにない
画期的な商品を開発するという展開もできます。
商品開発にまつわるストーリーは
快適ゾーンを飛び出すことが必要な場合が多々あります。
だからこそ冒険と帰還ストーリーラインがフィットするのです。
このストーリーラインは旅行関係の商品を販売するときのも効果的です。
悲劇
悲劇ストーリーは、マーケティングにおいて用いるのは最も難しいと言えます。
その理由は、致命的な主人公の欠陥・弱点・道徳的な問題に基づき
徐々に破滅に向かう展開だからです。
シェークスピアのマクベスのような悲劇はまさに反英雄的な展開となります。
悲劇のストーリーラインにおいて死はハッピーエンドではありません。
マーケティング的に活用するには難しいストーリー展開となります。
事例として、ボニーとクライド・ウェストサイド物語・タイタニックなどがあります。
コメディー
喜劇は面白いストーリーですが、だからと言って
すべての面白いストーリーが喜劇とはなりません。
ここでの”喜劇”という用語はシェークスピアの感覚を意味します。
喜劇ストーリーラインでは主人公が混乱の中でさまざまな
問題などに遭遇し最終的には解決してゆく展開となります。
ほとんどのホームコメディーは、
喜劇ストーリーラインをエピソードで採用しています。
これは、1つのごちゃまぜが興味深いユーモアを
生み出す展開を可能とするからです。
あなたのお好きなテレビまたは映画のコメディーを思い起こしてください。
コメディーストーリーラインは、
ビジネス向けに喜劇的な混乱の中で
問題を解決してゆく展開を繰り広げることができます。
例えば、会社が IT 関連の混乱の中で
解きほぐさねばならない問題を抱えているとします。
この展開に加えて何らかの喜劇的な要素を
加味してよりユーモラスな展開をすることができます。
ユーモアはとても効果的なエモーショナルな引き金と
なるだけではなくあなたのストーリー展開をより
強く記憶に留める効果を発揮します。
風力エネルギーの宣伝で数々の賞を受賞した
エネルギー会社エプロンの”Mr. W.のストーリー”は
絶好の事例。
彼らは風の抽象的な概念をもとに誤解している人物を設定し、
最終的には正しい真実を理解する展開をしています。
ストーリー展開においてユーモアを交えているだけではなく
実在の人物ではないにも関わらず、
自分の挑戦を克服して生まれ変わる人物像をビビットに描写しています。
リバース
最後は、マーケティングに抜群の効果を
発揮するリバース(再生)ストーリーラインです。
これは誰かが最低・最悪の地点まで落ちてから
奇跡的な回復をする展開です。
主人公がさまざまな困難と闘い立ち直る展開は
オーディエンスにインスピレーションを与えることができます。
クリスマスキャロルでは、スクルージはクリスマスを祝うことを
止めると脅していますが、最後には無事クリスマスを祝うことになりました。
ドクターフーやジェームスボンドなどの映画では
主人公が殺されそうになっても間一髪で脱出しています。
美女と野獣や眠れる美女なども
リバースストーリーラインの事例です。
ビジネス関連では、多くのリバースストーリーのアイディアがあります。
あなたの商品が最下層にあえぐ人を今すぐ救うことができるとします。
この展開はお客様の声にも取り入れることができます。
ブランドストーリーとしての事例は、
あなたの会社が苦難と倒産の危機に直面しながらも
あるアイディアによって危機を乗り越えるという展開です。
パーソナルストーリーの事例としては、
あなたが報われない苦難の中で
暗澹たる生活を送りながらも
最終的には一発逆転してお金持ちになったという展開です。
あなたが語るリバースストーリーは、
あなたの会社ではなくあなたのお客様にフォーカスすることもできます。
絶好の事例としては、一人のアイスホッケープレーヤーが1
1年前の試合中に致命的な事故を起こしてからのエピソードを展開した
ゲータレードのリプレイシリーズ。
ストーリー展開はゲータレードのことではなくゲームをスポンサーしているのが
ゲータレードという設定ですが、オーディエンスは強烈にゲータレードの記憶が残っています。
ここで紹介した事例にはリバースストーリーラインにより展開されていますが、
個々の事例にはその他のストーリーラインも組み込まれていることに気づかれたのではないでしょうか。
例えば、主人公がモンスターを征服するために旅に出たとします。
主人公はモンスターによって瀕死の重傷を負いながらも
奇跡的に回復し最後にはモンスターを倒し故郷へ帰還しました。
あなたは1つのストーリーラインに拘る必要はありません。
偉大なストーリーはいくつかのストーリーラインを組み合わせる展開をしています。
今回のレッスン
あなたのブランドストーリーを考えてみてください。