魔法のノウハウをお探しの難民に告ぐ、本質の話

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「宝くじ買う人っているじゃない。あんなの、普通に買ってて当たるわけがないのにさ。 それなのになんで買うのかと言えば、『夢を買ってる』っていうんだけど……、 その言葉を聞くたびに私なんかは思っちゃうわけだよ―― 『現実を買え』」って

 

ー BY 千石撫子

 

どうも、ナカムラです。

 

冒頭のセリフは囮物語という小説作品の劇中のフレーズなのですが
人は、夢を買ってしまうモノだということを
的をえた表現をしていますね。

 

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さてさて、世の中には、詐欺商材とかありえへんビジネスといいものが
様々ありますが、 あまりのバカバカしさに爆笑するものがいくつかあり、
個人的に腹を抱えて笑ったものを紹介します

 

1つめはネタに特化していたため、
某匿名掲示板まとめサイトでも
取り上げられたりもしていたので、
知っている人もいるかもしれません。

 

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諭吉ケーブルはどこをどう見てもツッコミ要素しかありません笑。
ちなみに諭吉ケーブルを無料で送ってもらおうと

リンクをクリックすると、ビデオが何通かきて、
最後に15万円の情報商材のサイトに飛ぶようです(笑)

もう1つ、これも爆笑しました。

 

 

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こう

いったページを見ても普通の思考を持っていれば、
「うさんくさい笑」「誰も引っかからんやろ笑」
「騙されるなんてどうかしてるぜ!笑」
と思うようなものばかりです。

 

しかし、こういったビジネスに騙される人は後をたちません。

 

なぜなら、人は夢を買いたいという
欲求が 根底にあるからです。

 

さてさて前置きが長くなりましたが、
今回のテーマは 『明らかな偽者にまんまと騙される人の共通点』 について
お話していきます。

 

魔法のノウハウを求める人々

上記で紹介したこのディスティニーバイブルには
セミナーがあったらしく、さらに驚くことに
1000人を超える人が参加したみたいです。

 

それ自体は感心するのですが、
(仕掛ける側としては、成果がでているでしょう。)
少し、気になったのでもう少し調べてみました。

 

そして、調べていくと逆に色々と興味が湧いてきます。

『医療現場で働くウクライナ超能力者極秘資料流出!』
『古来密教、悪霊蒸発ブーストヒーリング』
『デスティニー布教活動システム構築法』
『運命変換・トランス聖者ノート』
『ユダヤ行商人ギルドの極秘資料暴露』
『魂の煉獄から解放、使命自動発見、幸福の磁場に変貌』

 

中身がまったくわからないですけど、
色々な意味で個人的には興味深い内容でした(笑)

違う意味で「レベル高いぞ、このコピー・・」 って思いましたね。
思わずキーワードやフレーズはメモ帳に記しましたし、

このようなグレーすれすれの表現がなされた
ビジネスや商材は一向に減ることはありません。

 

それはこんな夢物語を信じて、 大金を突っ込む人が後を立たないからです。

では、なぜこういったありえへん話を信じて、 大金を投入してしまうのか?

 

簡単な話ですが、
「この世のどこかにはまだ誰も知らない、
秘密の方法や魔法のノウハウがある」
と思っているからです。

 

しかも、それを知れば
「何もしなくても自動でお金が入ってくる」
都合の良いことばかりを頭の中で妄想してしまう。

 

だから、それっぽいものがやってくると
「これがそれに違いない!」と思って、
すぐに飛びついてしまう。

 

そしてすぐに飛びつくくせに、
思ったようなことが起こらなければ
「詐欺だ!」「インチキだ!」と騒ぎ立てる。

 

私からすると、こんなわかりやすく
詐欺だととかありえへんことを書いているものに
ノコノコとお金払っといて、 その言い草はないだろって話なのですが、
これは、ある意味仕方がないことなんです。

 

何も考えずに表面的にしか捉えられないから、
何でもないことを信じたり、あれこれ騒ぎ立ててしまう。

 

『亡国のイージス』『終戦のローレライ』 『起動戦士ガンダムUC』などを
書いた 福井晴敏は、こんなことを言っていました。

 

コンテンツが噛まずに飲み込むだけでいい作品が増えて、
子どもの頃からそれを飲み込み続けたせいで
今の子は噛み応えのある作品提供されても、
噛み方がわからないから物語の本質を味わうことができない

ー 福井晴敏

 

この言葉の意味は乱暴に言うと、

 

「空想の物語であったとしても、 架空の登場人物の言葉であっても、
表面的にしか捉えられないバカが増えた」 ということです。

 

その要因はいくつもあるでしょうけれど、 最も大きな要因はテレビだと考えています。

 

テレビが娯楽として・・というよりは生活の一部になったこと、
そして思考停止状態で何も考えずに見てもわかるくらいに わかりやすい番組構成になっていることが、
表面的にしか物事を見れない人間を作っている一因だと考えます。

 

そして、さらに害悪なことに映画や漫画やゲームも
テレビ的な要素を入れないと売れなくなってしまったことで、
文章や文脈を読んで内容を理解する読解力が低くなってしまった。

 

だから、ちょっと難解なものが出てくると
「クソアニメ」「クソゲー」とか言い出し、理解力が必要なものを避けて、
わかりやすいものを好むようになる。

 

ライトノベルみたいな薄っぺらいものを読んで満足してしまう。
スマホゲーとかもタップするだけでカンタンに遊んで満足してしまう。

 

また、理解する能力に必要な読書をしなかったり、
映画や漫画を見ても考察なんてこともしない。

 

そのため、本質を読み取れない人間が増えてしまっているのが、
ありえへん商材やビジネスにお金を出してしまう人が絶えない理由です。

 

本質を読み取れない考えることを止めた世代

 

しかも、残念なことにこの人は これからもドンドンと増えていきます。

 

例えば、私の年代ではオタクって
まだ日陰の存在だということをきちんと認識していました。

 

ある友人は中学生の頃にアニメイトで買った
エヴァンゲリオンの下敷きを学校で使っていたら、
クラスの女子から冷ややかな目で見られたと言っていましたが、
それが当たり前の反応です。(※実話)

 

最近はクールジャパンとか言われたり『ラブライブ』が紅白に出たりして、
「アニメは世に受け入れられた」とか「オタクサイコー」と
なっているようも見えますが結局のところ
サブカルチャーでありメインカルチャーにはなれません。

 

今の世代10代~20代が台頭してくる頃にはわかりませんけど。

 

手塚治虫や藤子不二雄など昔のレジェンド的な漫画家は、
「漫画はあくまでもメインの娯楽にも文化にもならない」という理解でした。

 

もちろん、彼らは漫画というものをより高い地位にしようという
意識もあったでしょうが、

 

基本的なスタンスとしては、
「漫画は子どもにとって主食にはならないけれど、お菓子にはなる。
そして、お菓子を与えるのならできるだけ良いものを与えたい」
という使命感を持って、漫画を描いていました。

 

私も最近、手塚治虫の『火の鳥』をkindleで読み終わったのですが、
30~40年前の作品でありながら、まったく古臭くなく、
一度読んだだけでは 理解しきれないほどの情報量と奥深さがあると感じました。

 

また90年代の『勇者シリーズ』や『エルドランシリーズ』にしても、
「子どもに伝えたい大切なメッセージがある」というのが
作品を通してビシバシと伝わってきますし、

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リアルタイムで見たことで受けた影響は計り知れないものがあります。

 

このように子どもだからと言ってバカにせず、
多少難しいと感じる部分があったとしても、
いつか理解できる知能を持つという前提で
作品を作ったのだろうと今となっては思うのです。

 

ところがビジネスが前面に出始めてからは、
「お菓子なんだから粗悪なものでもいい、
おいしければ体に悪くてもかまわない」
というものが増え始めてきています。

 

つまり、言葉を悪く言えば
「バカ相手に、わかりやすいものを作ろう」
というスタンスで制作されているわけで、
これはテレビ・映画・漫画・ゲームなど娯楽全般に言えることです。

 

その結果、ドンドンと受身で、読解力もなく、 出されたものを
そのまま受け取る人が増えていきました。

 

あと、これはある知人の言葉なのですが、
非常に衝撃を受けた言葉があります。

 

「読書量で日本人の上位10%に入るためには月に何冊読めばいいか?
10冊?20冊?いいや、たった1冊でいい」

 

月にたった1冊読むだけで上位10%に入れるということは、 
残りの90%は月に1冊の本も読まないということです。

 

これは漫画やライトノベルなどは抜いていますが、
それでも月に1冊も読まないというのはある意味で異常ですし、
そういう人が冒頭のようなありえへん商材やビジネスにホイホイと騙されてしまうのでしょう。

 

それでも、魔法のノウハウを追い求めますか?

 

世の中には2種類の人間しかいません。

「騙される人間」「騙されない人間」です。

そして、それを分ける大きな要因が
「本質は何か?」と考えているかどうか。
これが大きな差になります。

 

では、本質とはいったい何なのでしょう。

 

辞書で調べてみると「根本的な性質」「不変の性質」
他にも「それなしでは成り立たないもの」などの意味があります。

 

ダイエットに例えると
「適度な運動と適度な食事制限をすれば必ず痩せる」 という、
誰もが知っている当たり前の常識のことを言います。

 

しかし、今回話した詐欺商材であったり、
水素水みたいな擬似科学に騙されたりハマる人というのは、
こういった当たり前の常識を知らないだけでなく、

 

「そういった常識を覆すことを好しとする」と考える人も多くいます。

 

前に流行った『ビリギャルが1年で偏差値40上げて慶応に合格』も同じで、

 

「何か今までの常識とは違う、誰もが知らない真実があり、
それを発見したから、それだけの結果が出たんだ」

 

と考え、 また「それを知った自分は他人とは違う」という
優越感を得ることに、ある種の快感を覚えます。

 

ネットワークビジネスにドップリとハマってしまう人も
「こんなすごいビジネスを知った自分は幸運」とか、
「知らないあなたは不幸だ」みたいなテンションで話しかけてきます。

 

あれは、やり方が悪いと、ほんとウザさしかないんですけど(笑)

 

私の知り合いはわざと50社くらい、
ネットワークビジネスの会社から勧誘されたらしいです。
ただ、話を聞いていくうちに

 

「ネットワークビジネスの会社はたくさんあるけれど、
実際は5種類しかないということがわかった」 と言っていました。

 

こういう人が「本質とは何か?」と 考えている人だと思います。

 

しかし、それがわからない人だとネットワークビジネスの会社は
日本でも数千社あると言われているので、

新しいものができる度に 「最新のビジネスが~」と
あっちこっちに目移りしてしまったり、 何度も同じように騙されてしまうのでしょう。

 

人間だからこそ、本質を考えられるヒトでありたい

「当たり前の常識」を知り、「本質とは何か?」と考える。
やることは至ってシンプルですが、なかなか難しい理由です。

 

当たり前のことってやり続けるのが大変なんですよ。

 

地味なことを繰り返しやるので、 意志力やエネルギーが必要になります。
これに関してはユーチューバーのヒカル氏が、
「まさにそうだな」ということをつぶやいていました。

 

 

そして、宝くじのような夢を語る商材やビジネスなどに
まんまと騙される人というのは

 

「当たり前のことはできないけれど、
 昨日とは違う明日にしたい。欲しいものは手に入れたい」

と思っています。

 

その気持ちは私もわかりますし、できることなら私も
「そうなってくれた方がラクチンでいいのにな」って常に考えていますよ(笑)

 

しかし、本質を考えるとそんなことはありえない。

だから、「当たり前の常識」を知り、「本質とは何か?」と考える。

これしか道はないですよね。

 

長くなりましたが、最後に『インベスターZ』という 漫画のセリフを引用して終わりにします。
たった60文字程度のセリフですが、 今回話した内容を端的にまとめています。

 

 

「誘惑に負けるやつ、ルールもロクに知らないのに
首を突っ込むやつは、結局はカモになるんだよ」

 

inbest

って。

 

One Response to “魔法のノウハウをお探しの難民に告ぐ、本質の話”

  1. アマゾンω より:

    インベスターZぼくも読んでます、まさに名言ですよねw

    デスティニーバイブルのような販売サイトを作る人は、人間心理を巧みに操る単語集をもってると聞いたことがあります。なにかのセミナーで聞いたことがあるのですが、かなり気になります…

    他の記事も読ませていただいたところナカムラさまは非常に深く物事を観察されていると僭越ながら感じる次第です、もし心理操作について普段から意識すべき考え方がありましたらご教授いただけるとうれしいです。他の記事も読んで勉強させていただきますm(_ _)m

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